自衛のためのサイバー攻撃の仕組み講座(AI時代・エンジニア水準)

はじめに

全体像と攻略法

最初に、この講座で目指す所と、やらない事を決めておきます。攻撃の手口を覚える講座ではなく、守る順番を自分で決められるようになる講座です。ここを読むと、後の単元を何のために読むのかが分かります。
目次
  1. 全部を知っている必要はありません
  2. 「危ないですよ」だけでは、答えになりません
  3. この講座のゴール
  4. 書かないこと
  5. 5つの区分
  6. 呼び方の約束

全部を知っている必要はありません

サイバー攻撃の話は、手口の名前が多すぎます。 新しい名前は毎月のように出てきて、全部を追いかけていると終わりがありません。

そこでこの講座は、目指す所を絞っています。 2026年の攻撃者が、AIを使って何をどう狙うのか。それを仕組みから説明できて、自分の環境のどこから塞ぐかを自分で決められる所までです。

「危ないですよ」だけでは、答えになりません

あなたは小さな会社を複数経営していて、Mac・VPS・WordPress・LINEやUTAGE・Claude Code・Googleアカウントを日々使っています。 受講生に教える立場でもあります。

そこに、こんな質問が来ます。

「危ないです」「気をつけてください」では、答えになっていません。 なぜ成り立つのか。どこで止められるのか。止めるには何を先にやるのか。ここまで答えられて、初めて相手が動けます。

この講座は、その答えを持つための講座です。

この講座のゴール

ゴール 必ず覚える

2026年の攻撃者がAIを使って何をどう狙うかを仕組みから説明でき、自分の会社と自分の環境を攻撃者の目で点検して、塞ぐ順番を自分で決められること。

エンジニアの水準といっても、攻撃のコードを書く力は要りません。 要るのは「何が起きているか」を読み解く力と、「何を先に塞ぐか」を決める判断です。

卒業課題 必ず覚える

課題は2つです。

最後まで読んでから作るのではなく、No.03で最初の1枚を作ってしまい、区分ごとに書き直していきます。

書かないこと

この講座の線 必ず覚える

この講座は、守る側のための講座です。 攻撃は「なぜ成り立つか」「どう見抜くか」「どう塞ぐか」までを書きます。

次の物は書きません。

手を動かす場面は、自分の環境の点検(設定を見る・ログを読む・更新する)と、合法な練習場だけです。 他人のシステムに試すことは、練習でも一切しません。法律の線は次の単元(学び方)で説明します。

他にやらない事 さらっと

必要になったら公式の資料を調べれば足ります。 この講座を終える頃には、どこを調べればいいかも分かるようになっています。

5つの区分

講座は、被害に近い順に5つの区分で並べています。

○ 区分1 攻撃者の考え方と、今の地図(No.01〜03)
 攻撃の流れ、IPA 10大脅威 2026、脅威モデルの作り方。ここで全体の地図を持ちます
○ 区分2 人とアカウントを狙う攻撃(No.04〜06)
 フィッシング、乗っ取り、認証の守りの強さの順番。被害が一番多い所です
○ 区分3 Webサイトとサーバーを狙う攻撃(No.07〜09)
 Webの仕組み、OWASP Top 10、WordPressとVPS
○ 区分4 AIとエージェントを狙う攻撃(No.10〜13)
 プロンプトインジェクション、MCPの守り、サプライチェーン、攻撃者のAI利用
○ 区分5 守りを回す仕組み(No.14〜16)
 ランサムウェアと控え、気づく仕組みと初動、合法に練習できる場所

区分1は、他の全部の根っこです。 用語が多く出ますが、流れは単純なので図で覚えます。

区分2は被害が一番多い所なので、早めに自分の分を点検できます。

区分3は、HTTP(ブラウザとサイトが話す約束)が土台になります。少し難しく感じたら、No.07に戻ってください。

区分4は、あなたの環境で一番新しい入口です。正解がまだ固まりきっていないので、「なぜ」を中心に読みます。

区分5は地味ですが、やられた後に効く守りです。

呼び方の約束

この講座では、読んでいるあなたを「あなた」と呼びます。 攻撃してくる側は「攻撃者」、守る側は「守る側」と呼びます。

AIが呼び出せる機能は「道具(ツール)」、Claude Codeのように道具を使って自分で作業を進めるAIは「AIエージェント」と呼びます。

ゴールは、攻撃の仕組みを説明でき、自分の環境の塞ぐ順番を決められること。書かないのは、他人を攻める手順・攻撃コード・道具の使い方・すり抜け方。卒業課題は、脅威モデル1枚と、AIエージェントの攻撃の5分講義。

出典:IPA「情報セキュリティ10大脅威 2026」 https://www.ipa.go.jp/security/10threats/10threats2026.html